「アーサナについて①」の中で書いていた
ニヤマ(禁戒)について書いてきますね。

日常に取り入れ、少しずつ”心のあり方”を変えていきます。
目次
ヨガでは、日常生活において
「あまり行わない方がいいこと」(ヤマ=禁戒)
5つと
「できるだけ行ったほうがいいこと」(ニヤマ=勧戒)
5つがあり
それらを、日々の生活に中に取り入れることで、『心』のあり方を変えていきます。
ヨーガスートラには
『どんな場所にいても、どの時間帯であっても、どんな立場であっても
変わらず守らなければならない。』
という内容が書かれていますが、全てをきっちり守るというのは難しいですよね。
なので、取り入れられそうなことを一つでもいいので、心に置きながら生活してみましょう。
日々の小さな積み重ねで、確実に変化が現れます。
まずは、一つご紹介しますね。
「あまり行わない方がいいこと」(ヤマ=禁戒)
の中の一つに
『非暴力(アヒンサー)』があります。
非暴力や不殺生とよく訳されていますが
ヒンサーは元々
”苦痛を引き起こすこと”
の意味なので
アヒンサーは
”苦痛を引き起こさないこと”
となります。
暴力なんて振るったことないし、これは守られてる!
そう思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私は、このアヒンサーを教えてもらった時に思いました。
しかし、この”アヒンサー”は
『意(思い)・口(言葉)・身(身体)』
全てにおいて守らなければなりません。
それに加えて、「自分」と「相手」に対してです。
少し考えてみましょう。
よくイメージする暴力は『身(身体)』への暴力ですね。
他人に、手をあげたことがない方は多いと思いますが
”自分へ向けて”
でしたらどうでしょうか。
「暴飲、暴食はしていませんか?」
ご自身の身体を、傷つけることにつながりますよ。

「しっかりとした睡眠はとれていますか?」
無理な夜更かしは、不健康の悪循環に陥っていきます。
ヨガの練習でも
「自分の体に合った練習はしてますか?」
あのポースをしたい!という気持ちだけが先行していると、怪我につながります。
日々の行動を思い返しながら、自分を見つめてみるのもいいかもしれませんね。
次は『口(言葉)』ですね。
これも、直接相手に対して投げかけることは少ないと思います。
ですが『噂話』はお好きですか?
この噂話も社会生活をする上で、ある程度は必要ですよね。
全てのそういった会話を拒否をしていたら、円滑な人間関係を保つことは難しくなります。
振り返ってみると
たいていの噂話は、害のないところから始まりまるような気がします。
それが、楽しいもの、相手を傷つけないものならいいのではないかと思います。
それがどんどん膨らんでいき、
「このままいくとおかしな方向へ進みそうだな」
「相手の評判を落としそうだな」
そういう時もありますよね。
そんな時は、その場からそっと離れることをお勧めします。
決して、自分から進んで参加してはいけませんよ。
そこに楽しみを見出しては、心の安定は保てません。
最後は最も難しい『意』です。
これは表に出にくいので、無意識に”ヒンサー”になっていることが多いと思います。
自分が傷ついた時、拒否された時、とっさに相手に対して否定的な感情が芽生えてしまう。
言葉はなんとか抑えても、否定的な思いが頭から離れない。
そんなことはありませんか?
「自分を否定する」ことも、自分に対してのヒンサーです。
自分に自信がないとついつい自分を否定してしまいます。
(「自分を否定してしまうこと」に関しては、また、後日詳しく書いていきますね。)
そのような気持ちはよくわかります。
ですがそんな時、無意識にしてしまう前に、一呼吸ついてみましょう。
意識してゆっくり呼吸をしましょう。
思いを暴走させるのではなく、手綱を少し引くようなイメージで止めてみましょう。
すぐに否定的な感情が全くなくなるわけではありませんが
何か小さな変化が起こるかもしれません。
以上を踏まえて、もう一度、ご自身の言動を見直してみます。
そして、できる部分だけでいいので、生活の中に取り入れてみましょう。
今回挙げたことは一つの例です。
この他にも”ヒンサー”を起こすことは沢山あります。
ですが
『相手に、自分に苦痛を与えない。』
このことを軸に考えていたら、どう行動をすれば良いのかが分かってくると思います。
ヨーガスートラの第2章35節にこんな言葉があります。
”アヒンサーに徹した者のそばでは、全ての敵対が止む”
本当にそうなったらいいと思いませんか?
実現するためには、まずは一歩踏み出すこと。
今日は
”暴飲・暴食を抑えよう”
明日は
”自分を否定すること止めてみよう”
このような形でもいいと思います。少しずつ暮らしの中に取り入れてみましょう。
暴飲・暴食・無理な夜更かしをしない
過度な噂話に参加しない
相手・自分を否定しない