前回まで書いたヤマ(禁戒)の他に
二ヤマ(歓戒)があります。
「できるだけ行ったほうがいいこと」ですね。
今回はその中の一つ、サントーシャ=知足
を書いていきます。
目次
知足とは?
漢字での意味だと「足るを知る」ことになりますね。
自分はすでに「満たされている」と知ることです。
「全然満たされてない!」「足りないものだらけ!」
そう思う方もいらっしゃるでしょうね。
では、一体どのような状態なのでしょうか。
満足するためにはどうすればいいの?
こんな経験はありませんか?
例えば
どうしても、達成したい目標があったとします。
「ライバルに勝ちたい!」
「欲しいものを手に入れたい!」
それは様々だと思います。一生懸命に努力をして
「どうすれば、その目標を達成することができるか」
を、毎日考えて生活していたとします。
その努力が実り、やっと目標を達成することができました!
その時の気持ちはどうでしょう。
「頑張ってきてよかった!」
その思いで満たされ時、物足りなさなどは感じることはないでしょうね。
大なり小なり、同じような経験をした方は多いと思います。
それからしばらく経った後、こんな感情は湧きませんでしたか。
「なんだか物足りないな〜」
そうなんです。この例のような思いで努力をし、達成して満たされた気持ちは長続きしにくいのです。
そこには一つ落とし穴があります。(少し大げさですが。)
頑張っている時は、目標に集中しているので、他のことが見えていませんが
目標を達成した瞬間から、集中の行き場を見失ってしまうんです。
その結果、物足りなく感じてしまう。
(誤解しないでいただきたいのは「目標」を定めることは大切なことですよ。)
では、どうすればいいのか。
それは
その集中する目標を「自分」に向けることです。
上記の例(ライバル編)でいうと
頑張りたい、上達したい事柄で
今の自分の現状をしっかりと見つめ
何ができるのかを考え、そして、できることを精一杯する。
ライバルに勝つための努力をするのではなく
”自分が成長するため”
の努力をする。
気がついたらライバルを超えていた!
この場合は、集中の行き場を見失うことなど決してありません。
自分は常にそこにいます。
憧れや、理想、競争相手などの対象物を
”変化するもの”へ向けずに
”絶対的なもの” ”不動なもの”に向けることです。
そうすれば目標を見失うことはありません。
知足(=サントーシャ)を突き詰めると?
話が少しそれてしまったので
今回のタイトルの『知足(=サントーシャ)』に戻します。
自分は、
もうすでに”充分に満たされている”ということを知る
ということになります。
本来、人は足りないものなどなく
『すでに満たされている状態にある』
ということなのです。
足りない、満たされないと感じるのは
「何か」
と自分を比べてしまっているからです。
ですが、この知足を突き詰めていくと
成長しようという向上心や、ヨガを深めようという探究心
というような、気持ちまでなくしてしまいそうですよね。
もっと言えば
「お腹が減っていても、自分は満たされているので満足」
「どこか痛くなっても、自分は満たされているで満足」
これでは、おかしな状態になってしまいます。
結局どういう状態でいればいいの?
上記したように
突き詰めていくと普段生活をしていく上で、支障をきたすことが多くあります。
(ヨガには突き詰めていくと、現実離れしていくことが多いので、初めの頃は柔軟にいきましょう)
『当たり前を当たり前と思わないこと』
まず、このことを心に留めておくことをお勧めします。
ついつい忘れがちになってしまいますよね。
どんなことでもいいと思います。
「今ここにいること」「見えること」「笑えること」「泣けること」
その他たくさんのこと。
今、自分が当たり前にしていることは、決して当たり前ではないと気づくこと。
そうすると
あれがないこれがない、足りない持ってない
ではなく
「自分はこんなに満たされていた」
と思えるはずです。
そして、
「他人と比較しないこと」
ヨガのレッスンでもよく聞きますよね。
「あの人は持っていないのに、私は持っている」
だから、それで満足ではなく
自分ができること、自分の持っているものを再確認していきます。
自分を、しっかりと知ることにも繋がりますね。
すぐに「自分はこんなに満たされていた!」と、思うようになることは難しいかもしれませんが、
毎日の生活の中で
「当たり前に気づいていく」
こういった、小さな”思い”の積み重ねで
この「知足=サントーシャ」は「こういう感じなのかな〜」
とつかめてくると思いますよ。
そのうちに、自然と自信がつき、不安がなくなっていくと思います。
まとめ
・他人と競争することもいいと思いますが、自分を見つめ直すことを忘れないようにしましょう。
・他人と比較して満足するのはやめましょう。
・日々の小さな「当たり前」に気づいていきましょう。